Phytophthora capsici LEONIAN 菌の寄主体侵入(農学部門)
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概要
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Phytophthora capsici LEON.の游走子嚢は, 間接および直接の二型の発芽をおこのうが, その発芽せる二型がそれぞれ寄主体侵入において如何なる態度を示すかということについて実験をおこなつた。すなわちトウガラシの葉上に接種した本菌の游走子の運動, 被嚢位置, 附着器あるいは小游走子嚢による寄主体侵入などについて観察をおこなつた。トウガラシ葉上の水滴中における游走子は, 一定方向の運動を示さなかつたが, 被嚢する位置は多くのものが表皮細胞縫合線附近であり, 次いで気孔上であつた。被嚢胞子が寄主体に侵入する方法には三つの場合が観察せられた。すなわち被嚢胞子の発芽管で直接侵入するもの, 附着器を生じその侵入糸によるもの, 被嚢胞子の発芽管の先端に生じた小游走子嚢の発芽管によるものである。寄主体侵入の殆んどは角皮侵入であるが, ときには気孔侵入が観察された。間接発芽後30分ぐらいで被嚢胞子の発芽管があらわれ, 1時間後に附着器の形成がみられる。游走子を接種した後, 1.5時間で寄主体侵入が開始されるが, 4時間で侵入がほぼ完了する。トウガラシ葉上の病斑は, 接種後10時間で僅かに現われるが, 14時間で明瞭になる。游走子嚢の直接発芽によつて生じた発芽管は, ただ一例のみが気孔侵入をしたのを認めた他は, すべて寄主体侵入に関与しないもののようである。そしてその発芽管の先端には, しばしば第二次游走子嚢を形成するのが認められた。
- 京都府立大学の論文
- 1960-09-01
著者
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