マウスにおける INH 早期治療の再感染防禦力に及ぼす影響
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概要
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われわれはマウスを用い, 人型結核菌黒野株を尾静脈より接種し, その後再接種を実施し初回接種後のINH治療が再感染防禦力におよぼす影響について主に死亡率をめやすとして観察し以下の結果を得た。(1)初回接種菌量が大量(3.3×(10)^6生菌単位)であれば, INHを菌接種直後から8週間投与してもその後の再感染に対して強い防禦力を認めた。(2)初回接種菌量が少量(3.3×(10)^2生菌単位)であれば, INHを菌接種直後から8週間投与すると, ほとんど再感染に対する防禦力を認めることが出来なかつた。(3)初回接種菌量が少量であつても, INHを菌接種4週後から投与開始した場合には, 再感染防禦力は増大し, 初回少量菌接種INH非治療群の再感染防禦力に近い成績を得た。したがつて少量菌感染でも「ツ」反応陽転を確認した後INH投与を行えばその後の再感染防禦力にうれうべき影響はあたえないと推定される。
- 京都大学の論文
著者
-
小林 裕
小児科学
-
寺村 文男
Division of Pediatrics of the Tuberculosis Research Institute, Kyoto University
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小林 裕
京都大学結核研究所小児特異性研究部
-
寺村 文男
京都大学結核研究所小児特異性研究部
-
川田 義男
京都大学結核研究所小児特異性研究部
-
寺村 文男
Division Of Pediatrics Of The Tuberculosis Research Institute Kyoto University
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