第 6 章 Thermal desorption と Photo desorption

概要

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Thermal desorptionに関連した論文は,比較的多く,最近の集計によると(Garching : Vacuum and Surface Physics Index)年間80編程度の論文が発表されている。分類すると,(1) Thermal desorptionの理論 : 主にthermal desorption spectrumの現われるメカニズム及びその解析,特に表面から,吸着分子が脱離する場合の脱離の活性化エネルギーとthermal desorption spectrumとの関連,吸着siteの深さとの関連等を扱っている。(2) Thermal desorption spectrumの測定 : Thermal desorption spectrumは,試料温度を一定のスケジュールで上昇させたときに脱離するガス量の変化を測定して得られるものであるが,この方法を用い,又,既在の理論の結果を用いて,脱離の活性化エネルギーや,拡散の活性化エネルギーを得ることができる。特定の金属中における特定ガスの挙動を研究している報告が多い。(3) (1),(2)に比べて,より実際的な方法で,thermal desorptionを測定している例もある。即ち,温度の数点を選んで,ガス放出量を測定し,Q(ガス放出量)-1/Tの関係より,いくつかの情報を得てまとめ上げている。この結果より,特定金属における特定ガスの熱的活性化エネルギーを求めている。以上を総合すると,Thermal desorptionとして,明確な意味を持つ物理量は,脱離及び拡散の活性化エネルギーの二つであるように思える。既に種々の方法でこれらの物理量は,可成り測定されているが,母材の材質と吸着物質との組合せについては,必ずしも実際的有用性とは,合致しているとも言えないように思われる。
核融合科学研究所の論文

第 6 章 Thermal desorption と Photo desorption

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