2. 1. レーザープラズマからのサテライト線

概要

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レーザーにより生成されたプラズマからは多価イオンの強いX線スペクトルが観測されている。(レーザープラズマの多価イオンX線スペクトル全般については,Boikoらの解説がある。Boiko etal. 1978a)ここでは主にMg, Al, Siの水素様イオンおよびヘリウム様イオンの共鳴系列線に対するサテライト線について紹介する。ここに紹介する観測例は,ほとんどが強度10^<14>W/cm^2のNd-ガラスレーザー照射により生成されたプラズマについてのものである。水素様イオンの共鳴線(1s^2S-2p^2P)とヘリウム様イオンの共鳴線(1s^2^1S-1s2p^1P)に対するサテライト線には多数の観測例があり(Aglizky et al. 1974,Boiko et al. 1977,Feldman et al. 1974,Peacock et al. 1973)波長の理論計算(Vainstein and Safronova 1978,Gabriel 1972)との対応が良くなされている。特に1s^2^1S-1s2p^1P線のサテライト線は,レーザープラズマに於て見られるサテライト線の中で最も強いものである。ヘリウム様イオンの1s^2^1S-1S3p^1P線のサテライトとしては,主に5本の線が分離して現われる。更にこれら主要な線の他に徴弱な線がいくつか見つかっている。(Yamaguchi and Mizui 1979)このサテライトに関するMgからKに至る元素についての広範な観測と理論との比較が最近Boikoらによってなされた。(Boiko et al. 1978b)ヘリウム様イオン1s^2^1S-1s4p^1P線のサテライトについてはこれまで観測例がなかったが,IPP-NagoyaでMgとAlに新たに5本のサテライト線が見出された。(Yamaguchi and Mizui 1979)そのスペクトルを図1に,観測波長を表1に示す。[figure][table]また,これらサテライト線と1s^2^1S-1s4p^1P線との間のエネルギー差をeV単位でイオンの原子番号についてプロットしたものが図2である。BとCで観測された線(Kennedy and Carroll 1978,Peacock et al. 1973)の外挿値に#1のサテライトが良く対応しているのがわかる。その他の新たに見つかったサテライト線については,このあたりの高次共鳴系列線のサテライト線に関する理論計算がないので,まだ同定されていない。[figure]
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