ドイツ企業の空間的構成 : 上場企業の地域的解析
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概要
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証券取引所に上場するドイツ企業を対象に,ドイツを暫定的に9地域に区分して「地域」の経済構造を検証し,ドイツを「都市国家」の集合体として把握することの可能性と限界を解明する。企業所在地と上場証券市場,地域の産業構成,中核都市への企業集積を解析した結果,現代ドイツの空間的構造は,ニーダーライン経済圏,フランクフルト都市経済圏,ミュンヘン都市経済圏の三芯構造を持ち,それにいくらか生産力の劣るハンブルク都市経済圏,シュトュットガルトを中心とする経済圏が存在すること。これに陸の孤島のようにベルリン首都経済圏が付随する形をとっていることが明らかとなる。ハノーファー地域には資本市場が存在するものの,その脆弱性は否めずニーダーライン経済圏への包摂の可能性が大きい。ニュールンベルクは旧東ドイツ地域の仮想資本市場と分断されているために,ミュンヘン市場との連関が大きく現れているが,元来自立的経済単位であると考えられる。ドイツにおいては,東西の統一にいたるまで資本の論理が貫徹しない計画経済地域の存在によって市場が分断され,地帯構造モデルが歪められた状態が依然として続いている。
- 2003-03-15
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