韓国における多文化保育とアンチバイアス教育 : ソウル市およびその近郊の保育機関における調査より
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概要
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国際化の進展により、日本の保育機関においても外国人の子どもが在籍するようになった。これからの教育や保育に求められるのは、多文化共生社会の構成員としての人間形成である。本稿の目的は、日本での国際化に対応する保育や教育を展望するため、多民族国家であるアメリカで実践されている多文化教育やアンチバイアス教育が「単一民族国家」であるとされる韓国においてどのように展開されているか明らかにすることである。そのために、文献により韓国の多文化教育の動向を調べ、かつ、2002年9月にソウル市およびその近郊の保育機関において、園長、保育士への面接調査および保育実践の観察を行った。特にI子どもの家(保育園)においては、アメリカのアンチバイアス教育を導入しつつも、韓国の状況に合わせたカリキュラムを作成し、実践していた。多民族国家アメリカが人種の違いのような可視的差異を問題とするのに対し、韓国や日本のようなアジアにおいては、可視化されない差異に注目しており、それぞれの地域の実情に合わせたアンチバイアス教育の展開を考える必要性があると指摘した。
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