<原著>急性期看護の独自性に関する研究 : ICUにおける自己の看護実践を対象として
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概要
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本研究は, 急性期看護の独自性を明らかにすることを目的に, 某集中治療室(ICU)で11週間看護を実践し, 急性期看護に特徴的と思われた看護過程(4事例16看護場面)について分析したものである。まず, 研究対象とした16看護場面を看護の原基形態にそって素材化し, 各研究素材について看護の論理を抽出し, 各々の共通性をもとに, 急性期看護に看護の普遍性が貫かれていることを明らかにした。また, 急性期看護における対象の生命力をとらえる看護者の認識の働きが浮き彫りとなり, これを模式化して全人的な対象認識を可能とする生命力認識モデルを作成した。次に, 各研究素材について, 急性期看護に特徴的と思われる状況に注目して分類し, 状況ごとに共通性を検討して急性期看護の特殊性を明らかにした。以上より, 急性期看護の独自性は, (1)生命の危機からの回復過程(2)認識の回復過程(3)非日常的な物的・人的環境下での生活過程という特殊性のなかで, 対象の生命力を実体・認識・社会関係の諸側面から絶えず観察し支えることであり, 各々の状況において専門的判断を下しうる知識・技術と, 生命力の消耗を最小にし, 対象の持てる力を最大限に働かせるという看護の普遍的性質とが統合して貫かれていることを明らかにすることができた。
- 宮崎県立看護大学の論文
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