<論文>消費者金融における適正金利 : 立法趣旨からみた上限金利の考察
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概要
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多重債務者の増加により, 消費者金融における金利の引き下げが求められている。利息を制限する法律には「利息制限法」, 「出資の受入れ預かり金及び金利等の取締りに関する法律」(以下"出資法"と略称), 「臨時金利調整法」の3つがあり, やや錯綜している。そして, 消費者金融における金利は, 利息制限法, 出資法による上限金利が利息制限の根拠となっている。また, 昭和50年代に発生した第一次サラ金問題の対策として制定された『貸金業の規制等に関する法律』(以下"貸金業規制法"と略称)が利息制限に大きな影響を与えている。消費者金融における適正金利を考察するに当たっては, それぞれの法律が立法当時どのような根拠で上限金利を設定されたかを確認する必要がある。そこで, 各法律の制定時における歴史的, 社会的背景から上限金利の根拠をさぐり, それを現状にあてはめることにより, 法律制定時の考え方による上限金利を考察する。また現行の法制度における金利規制の問題点についても述べることにする。なお, 本稿は平成11年11月30日現在における法制度で検討を行なっている。同年12月13日に貸金業規制法, 出資法, 利息制限法の一部改正が成立しており, 改正内容とその問題点については, 最後のまとめで触れることとする。
- 金城学院大学の論文
- 2000-03-28
著者
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