<論文>第3次不法行為法リステイトメントの成立(付・リステイトメント訳文)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
米国の製造物責任における近年最大の懸案であった第2次不法行為法リステイトメントの改訂作業が, このほどやっと完了した。新しいリステイトメントは, 全21カ条から成り, 多くの注目すべき条文を含んでいるが, 今回の改訂の最大の眼目は, 従来, 製品の欠陥の種類いかんにかかわらず, 製造業者に一律に課せられてきた無過失責任(厳格責任)を, 製造上の欠陥の場合だけに限定し, それ以外の, 設計上の欠陥および警告・表示上の欠陥の場合に関しては, むしろ伝統的な過失責任の考え方に戻した点である。一言で言って, 産業界の側に比較的有利な責任原則の変更であり, このところ, 米国不法行為法の各領域で進んでいる保守化の傾向の一環と理解される。とはいえ, 状況証拠による欠陥の推定, 販売後の警告・リコール義務等に関する規定の新設もあり, 製品事故の被害者の保護と救済の強化に向けて, わが国が学ぶべきものは多い。
- 1999-03-20
著者
関連論文
- 第3次不法行為法リステイトメントの成立(付・リステイトメント訳文)
- 消費者金融における適正金利 : 立法趣旨からみた上限金利の考察
- 消費者に求められるリーガルマインドの育成 : 「市民意識を育む演習」を通じて
- 米国製造物責任訴訟におけるpreemptionの理論 : Geier判決とその後の動向()(伊藤高義教授退官記念論文集)
- 処方薬・医療用具の設計欠陥をめぐる製造業者の責任の在り方 : 第三次リステイトメント第 6 条 (c) 項の問題点と最近のネブラスカ州最高裁判決
- 金融システムへの理解を促す消費者教育 : 英国金融サービス庁の挑戦
- 金融商品の多様化と消費者被害 : 確定拠出型年金制度の導入を前に
- 悪徳商法被害と法律 : その現状と問題点
- 商品事故と PL 法 : 新法施行後の社会の変化
- アメリカの過大な懲罰賠償と due process clause による制限 : State Farm Mutual Automobile Insuarance Co. v. Campbell 事件判決(2003年連邦最高裁)の意味するもの
- 米国における市場占有率責任理論をめぐる動向 : 最近のフロリダ州最高裁判決を中心に
- 米国製造物責任訴訟における preemption の理論と、いわゆる no airbag 訴訟をめぐる最近の連邦最高裁判決