トウモロコシサイレージにおける破砕処理が乳牛の炭水化物およびタンパク質利用に及ぼす影響
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概要
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トウモロコシサイレージ(CS)における破砕処理が,乳牛の養分利用に及ぼす影響を検討した.黄熟期に設定切断長17 mmで調製した未破砕CS,および切断長は同様としローラ間隔5 mmで破砕処理して調製した破砕CSを用い,飼料全体の粗タンパク質(CP)含量が14%となるように,各CSに大豆粕を84 : 16(乾物比)の割合で混合したものを供試した(未破砕区,破砕区).これらをルーメンおよび十二指腸カニューレを装着したホルスタイン種乾乳牛3頭に給与した.CSの化学成分は破砕処理の影響がなかったが,破砕区は乾物,CPおよびデンプン摂取量が有意に高かった(P < 0.05).ルーメン内のデンプン消化率は破砕区が30%高い傾向にあったが(P = 0.08),NDFの消化率は区間に差がなかった.総消化管におけるデンプン消化率は破砕区で高く(P < 0.05),CSのTDNは破砕CSで3.5%高まった.ルーメン液のpHおよび反芻時間は区間に差がなく,採食時間は破砕区で短かった(P < 0.05).ルーメン内可消化有機物量に対する微生物体窒素合成効率は区間に差がなく,破砕CSに適した併給タンパク質飼料の給与方法について検討が必要と考えられた.以上より,設定切断長が17 mmのとき,破砕処理をしても総咀嚼時間は変化せず,NDF消化率を低下させずに,デンプンの利用亢進が可能であった.
- 2010-02-25
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