とうもろこしサイレージ主体飼養時の泌乳牛における摂取量および乳生産
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概要
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とうもろこしサイレージ(CS)を,305日間の泌乳期間を通して飽食給与したときの摂取量,乳生産および疾病発生に及ぼす影響を計16頭の乳牛を用いて検討した.粗飼料としてCSのみを給与する区をCS区,CSとイネ科牧草サイレージ(GS)を乾物比2 : 1で分離給与する区を対照区とし,各区にホルスタイン種経産牛5頭および初産牛3頭を割り当てた.対照区ではGSの残食が多く,CSとGSの乾物摂取比は5 : 1となった.CS区は対照区より乾物,デンプンおよびTDN摂取量が高かった(P < 0.05).経産牛の305日間乳量はCS区9,984 kg, 対照区8,529 kgでCS区が高かったが(P < 0.05),CS区は乳脂率および乳タンパク質率が低い傾向にあり(P = 0.08),4%脂肪補正乳量は区間に差がなかった.初産牛でもCS区で乳量が多い傾向にあったが(8,027 kg vs. 7,010 kg, P = 0.09),乳脂率および乳タンパク質率は区間に差がなかった.経産牛,初産牛ともにルーメン液および血液成分は区間に差がなく,正常値の範囲内であった.第四胃変位の発生もなかった.以上より,粗飼料としてCSを単独給与すると,経産牛では305日間で約10,000 kgの乳生産が期待できるが,乳脂率の低下がみられた.
著者
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