ホウ素化合物による木材の燃焼抑制機構の解明とその応用(1) : ホウ酸及びホウ酸・アルカリ金属水酸化物で処理されたロ紙及びベイマツ単板の酸素指数
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概要
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本研究では,ホウ素とアルカリ金属の組成比率を変化させて,木材等セルロース系材料に対する燃焼抑制効果を系統的に検討し,最も効果のあるアルカリ金属との組み合わせとその中の最適比率を見い出し,優れたホウ素系薬剤を開発することを主な目的とした。口紙及びベイマツ単板に,ホウ酸に対してアルカリ金属のリチウム,ナトリウム,カリウムの水酸化物を,ホウ素とアルカリ金属のモル比が1:0,1:0.5,1:1,1:2の比率になるよう混合して含浸した。難燃剤の濃度を変えて異なった固定量に調整した口紙および単板について,JIS K 7201の酸素指数法によって難燃性能を検討した。<BR>以下の結果が得られた;<BR>1)ホウ素とアルカリ金属のそれぞれ単独の難燃性能より,混合薬剤のそれがすぐれており,両者の相乗作用によってセルロースや木材に対する難燃性能が向上することが明らかにされた。<BR>2)固定量が30%の程度で,最も優れた難燃性能を示すホウ素とアルカリ金属の元素比率は,[B]:[Li]=1:0.5,[B]:[Na]=1:0.5,および[B]:[K:]=1:2であった。<BR>3)ホウ素とアルカリ金属のモル比が1:2を除き,酸素指数の値はリチウムが一番高く,ナトリウム,カリウムの順で低くなった。アルカリ金属の中では原子番号が低くなるほど難燃性能が優れていることがわかった。<BR>4)同配合,同濃度の薬剤で処理したベイマツ単板の酸素指数は,口紙の酸素指数より高い値を示した。<BR>5)アルカリ金属の混合によってホウ素の溶解度を高めることができ,固定量を著しく増大させることが可能になった。
- 社団法人 日本木材保存協会の論文
- 1995-11-25
著者
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