紫ニンジン色素抽出物の拘束ストレス負荷マウスに及ぼす効果
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
生食可能な紫ニンジン(タキイ種苗,TCH-721)のアントシアニンおよびカロテノイド色素組成を明らかにし,調製した両色素抽出物を拘束ストレス負荷マウスに投与して生体内反応に及ぼす影響を調査した.(1) 紫ニンジンにはアントシアニンとして,いずれもシアニジンをアグリコンとする5つの化合物が含まれていた.またカロテノイドとして,β-およびα-カロテン,フィトエンが含まれていた.(2) 紫ニンジンから調製したカロテノイドおよびアントシアニン色素抽出物を各々単独,あるいは両者の混合物を拘束ストレス負荷マウスに投与したところ,拘束ストレス負荷により増加するマウスの血漿動脈硬化指数,血漿および肝臓の脂質過酸化度の増加がいずれも抑制された.(3) 同じく拘束ストレス負荷マウスで増加する肝臓総コレステロールは,カロテノイドまたはアントシアニンを投与したマウスでは低下傾向にあったが,両色素の混合物投与により有意に低下し,カロテノイドとアントシアニンの相加的効果が認められた.これら結果から,紫ニンジンに含まれるカロテノイドおよびアントシアニン色素抽出物には両者の相加的な効果を含め,抗ストレス作用が期待できることが明らかになった.
- 2011-01-15
著者
-
渡辺 満
独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構東北農業研究センター
-
鮎瀬 淳
独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構東北農業研究センター
-
六角 啓一
タキイ研究農場
-
渡辺 満
独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 東北農業研究センター
-
鮎瀬 淳
独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 東北農業研究センター
関連論文
- 日本の主要リンゴ品種における Penicillium expansum のマイコトキシン産生とパツリン産生に及ぼす果実成分の影響
- 紫ニンジン色素抽出物の拘束ストレス負荷マウスに及ぼす効果
- ブロッコリーに含まれるグルコラファニンおよびスルフォラファン含量について
- ソバ種実ポリフェノールのストレス負荷マウスに対する作用 (日本農芸化学会2008年度大会 一般講演トピックス(2))
- 複粒化種子を用いて播種した黒稗の出芽
- ソバ芽生えのフェノール性化合物量に及ぼす光の影響
- ソバ地上部の生育ステージによる抗酸化能とフラボノイド組成の変動
- ソバスプラウトのポリフェノール組成とその特性
- 紫ニンジン色素抽出物の拘束ストレス負荷マウスに及ぼす効果
- 2型糖尿病db/dbマウスの脂質代謝に及ぼす雑穀の効果
- 2型糖尿病db/dbマウスの脂質代謝に及ぼす雑穀の効果
- ソバ芽生えのフェノール性化合物量に及ぼす光の影響
- 2型糖尿病db/dbマウスの脂質代謝に及ぼす雑穀の効果
- ソバ芽生えのフェノール性化合物量に及ぼす光の影響
- ルテイン高含有食品 (特集 食品と疾病 : ルテイン)
- 桃色系および橙色系トマトカロテノイド色素抽出物の拘束ストレス負荷マウスに対する脂質代謝改善作用