日本の主要リンゴ品種における Penicillium expansum のマイコトキシン産生とパツリン産生に及ぼす果実成分の影響
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概要
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リンゴ果実に接種したP. expansumの,マイコトキシン産生量に及ぼすリンゴ品種および果実成分の影響を検討した.(1) 日本のリンゴ主要5品種へのP. expansum(ATCC 36200)の接種によるパツリン産生量は,「ジョナゴールド」が「ふじ」よりも有意に多かった.「つがる」「さんさ」「王林」でのパツリン産生量は「ジョナゴールド」よりも少なく「ふじ」よりも多かったが,いずれも他品種の産生量と有意差はなかった.腐敗果から分離した3菌株を使用した3品種のリンゴへの接種試験では,「ジョナゴールド」が「ふじ」および「王林」よりもパツリン産生量が多かった.(2) パツリン同様果実で産生の恐れのあるシトリニンは2回の接種試験,エクスパンソリデスA/Bは1回の試験で,品種間での産生量の違いは認められなかった.(3) パツリン産生量と相関の認められたリンゴ果実成分は,全ポリフェノール量とリンゴ酸量であった.それに対して,パツリン産生量と全遊離アミノ酸量との間には負の相関関係が認められ,糖含量との間には相関関係は認められなかった.これら結果からP. expansumによるリンゴ果実でのパツリン産生には,リンゴ品種および複数の果実成分が影響することが示唆された.
- 2009-04-15
著者
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渡辺 満
独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構東北農業研究センター
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鮎瀬 淳
独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構東北農業研究センター
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渡辺 満
独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 東北農業研究センター
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鮎瀬 淳
独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 東北農業研究センター
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