治療に難渋した慢性偽性腸閉塞症の1例

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概要

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症例は40歳代の男性で，25歳頃より腸閉塞の診断で入退院を繰り返し，保存的療法で改善していた．2008年6月にS状結腸過長症と診断され，他院で腹腔鏡下S状結腸切除術を施行された．しかし同年7月に再び腸閉塞症状のため当院に入院した．入院3日目に腹膜炎症状が出現し，緊急手術を施行した．上行結腸が捻転しており同部位より口側結腸が拡張していたため，結腸右半切除術を施行した．術後も腸閉塞状態が改善せず，腹部膨満症状を改善するため，回腸人工肛門造設を施行した．その後，慢性偽性大腸閉塞症を考え，同年12月に結腸全摘術を施行した．症状の改善は認めたが，術後も腹部単純X線検査で小腸は著明に拡張した状態であったため，慢性偽性小腸閉塞症と最終診断した．術後1年経過した現在，蠕動促進薬を内服して日常生活を送っている状態である．
日本大腸肛門病学会の論文
2010-06-01

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