組換えインフルエンザウイルスの構築と応用
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
インフルエンザウイルスのリバースジェネティクスの確立により,ウイルス蛋白質を任意に改変した変異ウイルスの作製が可能になった.そういった変異ウイルスは,現在のインフルエンザの基礎研究において欠かすことのできない有用なツールとして活用されている.また,応用面においても,現在備蓄が進んでいるH5N1プレパンデミックワクチンには本法を用いて作製された弱毒変異ウイルスが用いられている.今後,変異ウイルス作製技術は,インフルエンザの次世代ワクチンの開発にも大いに貢献することが期待される.一方,リバースジェネティクスを用いた外来性エピトープや外来性遺伝子を発現する組換えインフルエンザウイルスの構築により,効果的な免疫応答を惹起する多価ワクチンや遺伝子治療用デリバリーベクターへの応用が考えられている.現時点では,組換えウイルスの安定性,発現性,増殖性などの問題点を改善する必要性が指摘されているものの,インフルエンザウイルスベクターの持つ数多くの利点を活かすべく実用化を目指したさまざまなアプローチが展開されている.
- 日本DDS学会の論文
- 2009-11-16
著者
-
堀本 泰介
東京大学医科学研究所ウイルス感染分野
-
河岡 義裕
東京大学医科学研究所・ウイルス感染分野
-
河岡 義裕
東京大学医科学研究所
-
河岡 義裕
東京大学医科学研究所ウイルス感染分野
-
村上 晋
東京大学医科学研究所・ウイルス感染分野
関連論文
- 基礎 新型インフルエンザワクチンはなぜ1回接種で抗体価が上がるのか
- 鼎談 スペインインフルエンザの謎解き
- 伴侶動物・野生動物のインフルエンザ (特集 野生動物の感染症)
- インフルエンザウイルスの伝播力・病原性 (特集 パンデミックインフルエンザ--最新の知見と今後の展望) -- (インフルエンザウイルス研究の進歩)
- 組換えインフルエンザウイルスの構築と応用
- H5N1 インフルエンザワクチン (特集 H5N1 鳥インフルエンザ--パンデミックとヒト感染メカニズム)
- 鳥インフルエンザから新型インフルエンザへ (特集 新型インフルエンザと季節性インフルエンザ) -- (新型インフルエンザ)
- パンデミックは再来する--鳥インフルエンザに隠された殺人鬼の影 (感染症の脅威--パンデミックへの備えは万全か) -- (新型インフルエンザ)
- 鼎談 オセルタミビル耐性ウイルスの出現とその対応
- 特論 インフルエンザワクチン (特集 ワクチン--課題解決と新規品への期待)
- インフルエンザワクチン (特集 ウイルスワクチン)
- 鼎談 再びH5N1ウイルスの流行に備えて
- 鼎談 H5N1ウイルスの流行に備えて
- TOPIC/REVIEW 新しい技術を用いたインフルエンザワクチンの開発
- 鼎談 抗インフルエンザ薬の有効性
- 基礎 H5N1高病原性鳥インフルエンザウイルス--ヒトへの感染の分子機構
- H5N1高病原性鳥インフルエンザ:背景と現状 (特集 高病原性鳥インフルエンザ)
- 2003年から2005年にベトナムで分離されたA型H5N1インフルエンザウイルスの病原性解析(短報)(ウイルス学)
- 2004年および2005年にベトナムの家禽および水禽から分離されたA型H5N1鳥インフルエンザウイルスのヘマグルチニンならびにノイラミニダーゼ遺伝子の系統解析(短報)(ウイルス学)
- エボラウイルス・ヌクレオカプシド様構造物の電子顕微鏡トモグラフィー法による立体再構築(短報)(ウイルス学)
- フィロウイルスと細胞膜
- パンデミックは再来する--鳥インフルエンザに隠された殺人鬼の影 (医学 特集 インフルエンザの脅威)
- インフルエンザワクチン:何が求められるか? (特集 ワクチン開発と感染,免疫--インフルエンザ・マラリア・HIV・SARSの制圧に向けて) -- (新規ワクチンの開発と展望)
- インフルエンザ講座(12)トリインフルエンザウイルスのヒトへの脅威
- インフルエンザ制圧をめざして
- トリインフルエンザウイルス超強毒株赤血球凝集素に見られた独特な開裂部位アミノ酸配列およびその開裂性
- 最近日本で分離された鳥インフルエンザウイルス
- インフルエンザウイルス・ゲノムのパッケージング
- インフルエンザウイルス病原性のダイナミクス
- デングウイルス輸入感染症例のウイルス学的検索
- 新型インフルエンザウイルスの発生とヒトへの伝播のメカニズム (特集 インフルエンザウイルス感染症と関連するワクチンの臨床) -- (インフルエンザウイルス感染症の診断と治療)
- 総合討論
- インフルエンザウイルスの遺伝子操作系の確率と応用 - 誰でもできる超簡単法 -
- 1997年および2003年に人から分離されたH5N1インフルエンザウイルスの間にみられる抗原性の違い(短報)(ウイルス学)
- インフルエンザウイルス・ゲノムパッケージングの謎--8種類のRNA分節がどのようにして粒子中に取り込まれるのか? (特集 RNAウイルス複製機構解明がもたらすもの)
- 鳥インフルエンザと食の安全 (食の安全と疾病)
- H5N1鳥インフルエンザの現況 (特集 新型インフルエンザの最新情報)
- H5N1鳥インフルエンザの現状
- 鳥インフルエンザウイルスの人への脅威
- 鳥インフルエンザと食の安全性
- 基礎 H5N1ウイルスの全身感染
- インフルエンザ講座(24)イヌ・ネコのインフルエンザ
- 鳥インフルエンザウイルスの病原性と制御
- インフルエンザ講座(22)インフルエンザウイルスの感染性を決定する宿主由来の蛋白質分解酵素
- 新型インフルエンザウイルスA(H1N1)の性状 (特集 インフルエンザ2009--サイエンスから医療へ)
- 輸入デングウイルス感染症のウイルス学的診断
- ボルナ病ウイルスと精神・神経性疾患
- ボルナ病ウイルス感染の血清疫学的解析についての問題点 (あゆみ ボルナ病ウイルス研究の最新動向)
- 輸入デングウイルス感染症の診断例
- 鼎談 新型H1N1ウイルスおよび薬剤耐性ウイルスについて
- 豚サイトメガロウイルス主要カプシド蛋白コード遺伝子の同定
- ウイルスの病原性発現における糖タンパク質の役割 (免疫病と感染症)
- 新型H1N1インフルエンザ : ウイルス学の立場から
- オセルタミビル耐性インフルエンザウイルス
- インフルエンザパンデミック : 今そこにある危機
- 14日齢発育鶏卵における強毒トリインフルエンザA型ウイルス選択機構(短報)
- 高病原性鳥H5N1インフルエンザウイルスの流行 : 2004版
- H5N1インフルエンザウイルスの脅威
- 遺伝子工学による新たなインフルエンザワクチン
- インフルエンザ : 昨日, 今日, 明日
- ヒト体内におけるインフルエンザウイルスのレセプター分布
- インフルエンザ講座(6)香港トリインフルエンザ事情
- 診断 インフルエンザのPCR診断
- ボルナ病ウイルス研究の最新動向 (特集 今注目されている動物の感染症--疫学とコントロ-ル)