ヘッドスペース/ガスクロマトグラフ/誘導結合プラズマ質量分析装置を用いるポリブロモジフェニルエーテルの気化及び分解性試験方法
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概要
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ポリブロモジフェニルエーテル(PBDE)の気化性,熱分解性,光分解性を簡便に試験する方法として,ヘッドスペース(HS)装置とガスクロマトグラフ/誘導結合プラズマ質量分析(GC/ICP-MS)装置とをオンラインで結合したHS/GC/ICP-MS装置を用いる方法を開発した.難揮発性のPBDEにHS法を適用するとメモリー効果が大きな問題となること,メモリーを低減するには,GC注入口を約400℃ まで昇温し,パルスドスプリット注入方式としてスプリット比を10 : 1以上にすると効果的なことを明らかにした.また,GC/ICP-MS法において従来から問題であったPBDEピークのテーリングは,GCとICP-MSとを接続するためのトランスファーラインを溶融シリカ製不活性化チューブからシリコスティール製不活性化チューブ(Ultra ALLOY-PBDE)に替えると低減できることを示した.BDE-209(臭素の絶対量として405 ng)を含むバイアル(20 mL)を7回測定したときの繰り返し再現性は2.1% と良好であった.本法により,PBDE気化量の温度依存性,プラスチックからの気化量,プラスチック中での熱分解生成物,光分解生成物の測定を行った.本法は,密閉系で反応を行えるため生成物等の揮散損失がないこと,臭素化合物は臭素に換算してほぼ等しい感度を与えるため,臭素のマスバランスを考慮できることなど,物性試験方法として優れた特長があることを示した.
- 2009-05-05
著者
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田尾 博明
産業技術総合研究所環境管理技術研究部門
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中里 哲也
産業技術総合研究所環境管理技術研究部門
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中里 哲也
産業技術総合研究所 環境管理技術研究部門
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田尾 博明
産業技術総合研
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中里 哲也
産業技術総合研究所
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