下水汚泥焼却灰の溶融処理を用いたリン肥料の作成条件の明確化および実規模での適用評価
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概要
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リン鉱石は枯渇が懸念される資源である一方,下水汚泥焼却灰はリン鉱石と同程度リンを含有し,リン鉱石と代替できる可能性を有する。そこで本研究は,溶融処理を用いたスラグ肥料の作成可能な下水汚泥焼却灰組成範囲と,肥料としての安全性・肥効性の明確化を目的とした。灰組成による影響検討のためモデル灰からスラグ肥料を作製した結果,灰組成中にリン酸17wt%以上,酸化マグネシウム15wt%以上,アルカリ分40wt%以上となる範囲内にすることで品質基準を満たすことを確認した。また実焼却灰でもこの組成範囲に調整することでリン肥料が作製可能なことを確認した。重金属類に対する安全性の検討を行った結果,含有量試験より鉛やクロムなどは肥料取締法基準値を満たすことを確認した。またスラグ肥料を施肥して栽培した作物を分析した結果,植物中の鉛,カドミウム,クロムは食品衛生法の許容上限量を下回り,実土壌への適用が可能であることが示唆された。
- 一般社団法人 廃棄物資源循環学会の論文
- 2009-07-31
著者
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姫野 修司
長岡技術科学大学
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小松 俊哉
長岡技術科学大学 環境・建設系
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姫野 修司
長岡技術科学大学 環境・建設系
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藤田 昌一
長岡技術科学大学環境・建設系
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藤田 昌一
(株)東京設計事務所 技術相談室
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櫛田 浩司
三機工業(株)
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大嶺 誠
長岡技術科学大学 環境・建設系
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露崎 知広
長岡技術科学大学 環境・建設系
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藤田 昌一
長岡技術科学大学 環境・建設系
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姫野 修司
長岡技術科学大学環境・建設系
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藤田 昌一
(株)東京設計事務所
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