高性能活性炭カラムを用いた揮発性有機化合物の一括測定方法
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概要
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大気中および室内空気中の揮発性有機化合物類(VOCs)の測定方法のうちで捕集や分析に熟練した技術や高度な機器が不要で, 最も簡易である直接固体吸着・溶媒脱離法を用いて, 主要な23種類のVOCsの一括測定を行うため, 高性能活性炭充?カラムを開発した。使用した活性炭CQSは, 現在工業用に広く用いられている活性炭3種類と市販の大気・室内空気捕集カラムに用いられている活性炭1種類および炭素系吸着剤3種類に比べて比表面積が大きく, 幅広い径の細孔を有し, 水蒸気の吸着性が低いものを選定した。これらの吸着剤を0.7g充?したカラムを作成し, VOCsの乾燥標準ガスおよび加湿標準ガスでの回収実験を行ったところ, いずれも活性炭CQSの回収率が最も高く, VOCs捕集用に最適であることが明確になった。この開発した活性炭CQS充?カラムからのVOCs脱離のための溶媒の種類, 通液速度, 必要溶媒量の検討を行い, n-デカンを0.3mL/minで10mL通液すれば, 23種類のVOCsがほぼ全量回収され一括分析できることを示した。また, 長時間高湿度が続く場合には, 低沸点で極性(水溶解度)の高い物質の吸着性能が低下することが認められたが, 0.83〜2.4mmの過塩素酸マグネシウム25gを充?した除湿管を前に付ければ, 23種類のVOCsすべてが完全に回収できることを明確にした。本方法によって異なった日に加湿標準ガスを測定したときのC.V.値は10%以内で再現性が良いことを確認した。更に, 実大気を本方法とキャニスター法により同時に測定した結果, 両方法で測定されたすべての物質の測定値はほぼ一致した。したがって, 開発した高性能活性炭カラムと除湿管を用いることで極めて簡易に正確に23種類のVOCsを一括測定できることを示した。
- 社団法人大気環境学会の論文
- 2001-03-10
著者
-
浦野 紘平
横浜国立大学
-
浦野 紘平
横浜国立大学大学院環境情報研究院 環境生命学専攻
-
姫野 修司
横浜国立大学工学部
-
長谷川 隆
(財)日本環境衛生センター
-
姫野 修司
長岡技術科学大学 環境・建設系
-
長谷川 隆
日本環境衛生センター
-
亀井 英子
横浜国立大学工学部
-
浦野 紘平
横浜国大 大学院環境情報研究院
-
浦野 紘平
横浜国立大学環境情報研究院
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