Cu (II)-DPDを用いた大気中のシアン化水素定量用テープの開発及び酸化性ガスの除去

概要

論文の詳細を見る
硫酸銅とN, Nジエチル-p-フェニレンジアミン(DPD)硫酸塩を用いた大気中のシアン化水素測定用定量テープを開発した。シリカゲルを混和したセルローステープをCu (II)とDPD及びグリセリンから成る液に浸漬した後, 乾燥して定量テープを作製した。この定量テープにシアン化水素ガスを含む試料ガスを一定量(400ml/min), 一定時間(70秒)通気させると, 定量テープは無色から赤色に呈色する。このテープの呈色スポット(直径10mm)の呈色度は, 555nmの波長の光を照射し, その反射光の強度から測定することができる。呈色機構は, テープ中のCu (I)がCN^-と安定な錯体を形成することにより, [Cu (II)/Cu (I)]の値が大きくなり, これに伴い酸化性が増大する。DPDはCu (II)によって酸化され赤色の酸化体に酸化される。よってCN^-の濃度は呈色度から測定されることとなる。HCNの検出下限は0.2ppmであった。たとえば塩素ガスのような酸化性ガスは, 応答が見られたが, 定量テープに導入する前にDPDを塗布したビーズを充填したカラムに通すことによりHCNに影響を及ぼすことなく除去することができた。
2005-08-10