下水汚泥ケーキの環境リスク低減型処理と多機能素材化開発

概要

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産業廃棄物中，排出量の最も多い種目は含水率の高い汚泥であり，その量は年間約1億9千万トンに上る。汚泥の中でも特に下水汚泥は際立って多く，汚泥排出量の約3割を占める。本報では，統計データおよび現地調査により近年の下水汚泥排出状況等を分析し，その各種処分形態およびリサイクルの動向について検討した。その結果，自治体による下水汚泥ケーキ処理の主流は埋立処分から焼却・溶融処分，コンポスト利用へと移り，炭化処理のデータが現れ始めている点およびそれらの処分形態の抱える問題点が明らかとなった。さらに，リサイクル率を高めるとともに，環境リスクの低減化，ハンドリング性の向上を目指して開発された炭化タブレットの熱的特性(バイオマス特性)，土壌改良特性，保水･調湿特性に関する確認実験の結果について検討し，炭化タブレットの熱量は，備長炭の熱量の約39％から59％に相当する約10.5kJ/gから15.9kJ/gを示し，その値は炭化温度と炭化時間に依存すること，土壌改良材および床下調湿材としての機能にも優れていることを明らかにした。
社団法人資源・素材学会の論文
2005-05-25