7. 鋤鼻-副嗅球共培養における神経回路再構築とニューロンの成熟(<総説特集>ケミカルコミュニケーションの世界)
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概要
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培養系を用いた実験は、生体の実験のみでは得られなかった可能性を示してくれる。鋤鼻系の入力側の要となるのは、鋤鼻器に存在しフェロモンを感知する鋤鼻ニューロンと、その投射先の副嗅球ニューロンである。通常末梢神経である鋤鼻ニューロンと中枢神経である副嗅球ニューロンは、培養条件も異なるが、培養液の調整を行う事で共培養が可能となった。共培養を行う事によって、鋤鼻ニューロンの成熟、副嗅球ニューロンである傍糸球体細胞の分化および副嗅球ニューロン樹上突起スパインの形態変化などが観察される。また、本共培養系において、鋤鼻-副嗅球ニューロン間の機能的シナプス形成が示唆されていた。齧歯類をはじめとした多くの哺乳動物は、揮発性の匂い物質を感ずる主嗅覚系とは別に、同種他個体より分泌されるフェロモンを認識する鋤鼻系が存在する。フェロモンは鋤鼻器に存在する鋤鼻ニューロンで受容され、その投射先の第一次中枢である副嗅球へと情報が運ばれる。
著者
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