液体振とう培養におけるササユリ球根の生育に及ぼす窒素源,リン酸イオンおよび硫酸イオンの影響
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概要
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ササユリの液体振とう培養において,培養液の無機多量要素の濃度変化を調査し,減少率の多いものについて,その濃度と球根の生育について検討した.<BR>1.培養中に減少率の多いものは,H<SUB>2</SUB>PO<SUB>4</SUB><SUP>-</SUP>,SO<SUB>4</SUB><SUP>2-</SUP>およびNH<SUB>4</SUB><SUP>+</SUP>であり,特にH<SUB>2</SUB>PO<SUB>4</SUB><SUP>-</SUP>は急速に減少した. これに対して,K<SUP>+</SUP>,Mg<SUP>2+</SUP>およびCa<SUP>2+</SUP>は減少率はごくわずかであった.<BR>2.NH<SUB>4</SUB><SUP>+</SUP>濃度は,NO<SUB>3</SUB><SUP>-</SUP>濃度が40~50mMの場合,20~10mMが適当であり,NO<SUB>3</SUB><SUP>-</SUP>のみあるいはNH<SUB>4</SUB><SUP>+</SUP>30mM以上では球根の肥大が劣った.NO<SUB>3</SUB><SUP>-</SUP>のみの培地では根の伸長がみられた.<BR>3.NH<SUB>4</SUB><SUP>+</SUP>のかわりにグルタミン(GLN)を添加した場合にも根の伸長がみられたことから,NH<SUB>4</SUB><SUP>+</SUP>には根の伸長を阻害する作用があるものと考えられる.<BR>4.発根した球根は定植後の発芽率および抽だい率が高かった.したがって,球根肥大をさせた後,NO<SUB>3</SUB><SUP>-</SUP>のみの培地で発根させ定植するとよいことが明らかとなった.<BR>5.H<SUB>2</SUB>PO<SUB>4</SUB><SUP>-</SUP>は高濃度に添加しても,球根肥大には影響しなかったが,培地からの吸収量は高濃度で培養した場合に多くなった.また,定植後の発芽率もH<SUB>2</SUB>PO<SUB>4</SUB><SUP>-</SUP>高濃度培地で高く,吸収されたH<SUB>2</SUB>PO<SUB>4</SUB><SUP>-</SUP>の影響が認められた.<BR>6.SO<SUB>4</SUB><SUP>2-</SUP>を高濃度で添加した場合には球根肥大が劣った.
- 園芸学会の論文
- 1996-09-15
著者
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