右横ずれ断層周辺の応力分布,数値解析によるアプローチ

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地殻浅部での局部応力は，地形の影響を受けているが，地表に達する断層が存在する場合には断層の影響も受けている。また，もし断層が平面状でないならばその応力分布はさらに複雑になる。その影響を把握するため，著者らは，例として，2次元正弦波断層線モデルおよび左右対称な谷の底部に正弦波断層面の露頭が表れた3次元モデルを作成し，ジョイント要素で断層を表現した境界要素法による2次元および3次元仮想応力法−変位くい違い法組合せ解析コードを用いて解析を行った。この解析から，地形と断層は浅所部の応力分布に影響を及ぼすことが確かめられた。また具体例として，活断層調査坑道の上にある茂住谷の等高線図および垂直な茂住祐延断層をモデルにして，原位置で測定された局所応力データをもとに広域応力場を求め，得られた応力場をもとに浅所部での断層周辺の応力分布を算定した。この例から得られた解析結果は原位置で測定された応力データとほぼ一致しており，ジョイントを考慮した3次元仮想応力法−変位くい違い法組合せ解析を用いて局所応力データをもとに広域応力場を求められることが明らかとなり，かつ，浅所部での断層周辺の応力分布を示すこともできた。また，茂住祐延断層での広域応力場は圧縮で，σvo〓ρgh, σHo〓0.74σvo, σho〓0.5σvoであり，σHoの方向は断層走向から時計回りで40゜であることが示された。
社団法人資源・素材学会の論文
1999-09-25

右横ずれ断層周辺の応力分布,数値解析によるアプローチ

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