比重による各種フライ油の熱酸化速度の測定

概要

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フライ油の熱酸化を比重の増加 (ΔSG) で求める方法を検討した。その結果, 比重も屈折率と同様に, 一定の加熱条件下では加熱時間に比例して増加した。 そこで, 加熱した各種フライ油について比重 (ΔSG) と屈折率 (ΔRI) を同時に測定し, 熱酸化速度定数kSGと熱劣化速度定数kRIを求めた。その結果, 同じ熱酸化速度を示すフライ油でも熱劣化速度が異なるフライ油があること, また, 同じ熱劣化速度を示すフライ油でも熱酸化速度が異なるフライ油があることが明らかになった。従って熱酸化と熱劣化は互いに異なり, 区別して扱う必要があることがわかった。なお, 熱酸化速度定数kSGは次式 (フライ油熱酸化の法則) から求めた。 dSG/dθ=kSG (S/W) ・P/1013, ΔSG=kSG (S/W) ・θ・P/1013 ここで, S/Wは比表面積 (cm2/g), θは加熱時間 (h), Pは大気圧 (hPa) である。各種フライ油の180℃でのkSGは3×10-4〜24×10-4の範囲であった。更に, フライ油の使用限界を極性物質が25〜27%に達したときとすると, このときの酸素取込量は試算の結果0.49〜0.54%で, これを基に使用限界でのΔSGを推算するとΔV/ΔW=0と仮定した場合, 45×10-4〜50×10-4であった。
社団法人日本油化学会の論文
1999-03-20