イネ登熟期の高温による品質低下の品種間差異
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概要
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近年、夏季の高温による産米品質の低下が問題となっている。1998、1999年の山形県産米(うるち)の1等米になれなかった品位格付理由のトップは、白未熟粒の発生である。また、過去3ヵ年における白未熟粒の発生は、いずれも格下げ理由の4位となっている。品質低下の著しかった1999年は、格下げ理由の約60%を白未熟粒の発生が占め、特に、庄内地域では1等米比率が30%にも満たない中で、格下げ理由の実に79%が白未熟粒の発生によるものであった。こうした中、品種育成にも高温登熟条件下で白色不完全粒の発生の少ない、高温耐性の優れた新品種の開発が求められている。これまで当支場では、いもち病圃場抵抗性(葉、穂)、穂発芽性、そして、耐冷性の特性検定試験を行い、育成系統の評価・選抜に当たってきた。さらに、今後は上記の高温耐性の検定が必要と考えられる。茨城県農業総合センターでは、背白・基白米発生率による水稲品種の高温登熟性簡易検定法を開発し、基準品種を選定しているものの、東北地方での報告事例はなく、より簡易な検定法で地域に適した品種の選定が求められている。そこで、2001、2002年の2ヵ年当場の世代促進温室を用いて、県奨励品種を主体としたうるち品種を供試し、登熟期の高温による品質低下について検討したので報告する。
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[東北農業試験研究協議会] | 論文
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