急性期病院における内科疾患を有する高齢患者の退院時の歩行能力低下に影響する要因
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概要
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The present study was designed to identify factors likely to elevate the incidence of walking dependence upon discharge of elderly patients from a hospital wherethey received treatment of acute internal disease. The study involved 68 patients aged 65 and over who had been able to walk unassisted before hospitalization. These patients were divided into the groups of walking dependence (patients unable to walk) and the groups of walking independence (patients able to walkunassisted) at the discharge period. The author analyzed using a model of multiple logistic regression analysis with a category framework involving 10 variables. Results were as follows : 1) The author picked out 4 factors, i.e. "period of bedredden status", "period of symptoms", "period of hospital stay" and "period ofphysical immobilization". 2) It shown that the risk of walking dependence became higher as the period of each of these variables increased by another day. 3) Usingthis analysis, the author could suppose the walking dependence at discharge period in 54% of the patients. It is therefore desirable that patients at elevated risk for walking dependence are identified by evaluation of these four factors and to provide active support to these patients so as to shorten the period of these four factors as soon as possible during the hospital stay.本研究の目的は、内科の急性疾患で入院した高齢患者の退院時の歩行能力低下にどのような要因が関与しているかを後ろ向き調査から検討した。対象は、入院前、自ら歩行可能であった65歳以上の患者68名である。退院時に自立した歩行が不可の患者を歩行能力低下群、自立した歩行が可能の患者を歩行自立群とした。要因の検討には、10変数からなる概念枠組みから多重ロジスティック回帰分析を用いモデル化した。結果、1)「ベッド上生活日数」、「症状持続日数」、「在院日数」、「身体拘束日数」の4因子が抽出された。2)各変数の日数が1日増すごとに危険率が高まることが示された。3)4つの要因の検討から、退院時に歩行能力を低下させる高齢患者の54%を予測できることが説明された。以上を通して退院時に歩行能力低下をさせないためには、4つの要因からリスクの高い患者を予測し、早期にこれらの日数を減らす援助を入院時より意図的に実践することが必要であると示唆された。
- 金沢大学つるま保健学会 = the Tsuruma Health Science Society, Kanazawa Universityの論文
著者
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