転倒に至る障害たしかめ体験を行った片麻痺患者の思考プロセス
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概要
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本研究の目的は、転倒に至る障害たしかめ体験を行った片麻痺患者の思考プロセスを探ることである。参加者は入院中の回復期片麻痺患者13名であり、3ヶ月以内に転倒の経験者である。方法は、半構成的面接を行い、修正版グラウンデッドセオリーアプローチで分析した。その結果、4つのカテゴリーが抽出された。そのプロセスは【動機】【繰り返す】【成功】カテゴリーの循環と、【停滞】カテゴリーに分かれた。まず【動機】カテゴリーでは、《発症前の移動状況を思い描くことからくる思い》から、ある動作でのたしかめ体験実行につながり、結果として転倒に至った。転倒後、2つのカテゴリーに分かれた。【繰り返す】カテゴリーでは、たしかめ体験が成功するまで挑戦する思考を繰り返した。一方【停滞】カテゴリーでは、たしかめ体験を行おうとする思考が停滞した。【成功】カテゴリーでは、たしかめ体験の成功を《通過点としての思い》と受け止め、一動作の習得は、《片麻痺者としての移動動作を再構築していく過程》となり、一つの成功に満足せず、別のたしかめ体験実行のため、再び【動機】カテゴリーに戻る循環が見出された。 以上より、患者が思考プロセスのどこにいるかアセスメントし、成功体験を支援することの重要性が示唆された。 Objectives: The purpose of this study was to analyze the thought processes ofpatients with hemiplegia while reviewing the circumstances of events leading totheir fall.Methods: The study involved 13 patients during recovery phase of hemiplegiawho had fallen within the previous 3 months. Their responses were analyzed usingM Modified Grounded Theory Approach(M-GTA).Results: The four categories identified were 【motif】 【repetition】 【stagnation】 and【success】. These four categories divided into a circular structure of 【motif】【repetition】 【success】 and 【stagnation】. 【Motif】 included entertaining “the thoughtarising from imagining the motility (how one moved) before disease onset》 and thisled to the experience of checking for the possibility and this result in fall. Theprocesses after falling could be roughly divided into two categories 【repetition】 and【stagnation】. 【Retition】 included to attempt until success, but the other 【stagnation】included to stagnate idea of trying.If they successfully avoided falling, that successwas accepted as 《thought at an interim step (a good idea about how to move)》,followed by 《a process of re-designing one s mode of moving to that of anindividual with hemiplegia》 and later returning to the 【motif】 category forimplementation of another experience that would not lead to injury.Discussion: The findings from this study suggest the importance of : assessing thecurrent thinking process of the given patient, arranging for an environment withinwhich the patient s desire to be active is acknowledged and respected, andsupporting the patient to achieve success experiences.
- 2010-07-30
著者
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