関節リウマチに対する人工肩関節置換術後の可動域とADLの関係
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概要
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関節リウマチ(以下,RA)に対して人工肩関節置換術を行った症例において,術後の肩関節自動可動域(以下,ROM)とADL機能の関係をShoulder 36 Version 1.3(Sh36)を用いて調査した.対象は18例22肩で,男性3例,女性15例,手術時平均年齢60.6歳であった.調査時の術後経過期間は平均67.1ヵ月(12-142ヵ月)であった.術後屈曲 • 下垂位外旋ROMと相関を認めたSh36の12項目について,「困難なくできる」4点,「やや困難だができる」3点と回答した症例のそれぞれ最低限のROMを調査した.「困難なくできる」には,屈曲150°かつ外旋40°以上,屈曲100° ∼ 110°程度,屈曲85°程度で可能な動作に分かれた.「やや困難だができる」には屈曲150°かつ外旋45°以上,屈曲80° ∼ 90°程度,屈曲50°かつ外旋25°以上で可能な動作に分かれた.屈曲が不良であっても外旋が良好であれば可能であったり,反対に外旋が不良であっても屈曲が良好であれば可能となるADL動作があった.肩関節の術後評価として個々のROMだけではなく相互に補完した評価の可能なADL評価も重要であると考えられた.
- 日本肩関節学会の論文
著者
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大泉 尚美
整形外科北新病院 上肢人工関節 • 内視鏡センター
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吉岡 千佳
整形外科北新東病院
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末永 直樹
整形外科北新病院 上肢人工関節 • 内視鏡センター
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大泉 尚美
整形外科北新病院 上肢人工関節 • 内視鏡センター
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山根 慎太郎
整形外科北新東病院 上肢人工関節 • 内視鏡センター
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谷口 昇
開西病院 整形外科
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