ラット膝関節炎モデルに対する患部の不動ならびに低強度の筋収縮運動が腫脹や痛覚閾値におよぼす影響
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
This study examined the effects of immobilization and low–intensity isotonic muscle contraction exercise on swelling and pain threshold during the early stages of arthritis in rats. Twenty–one male Wistar rats (8 weeks old) were randomly divided into 4 groups: (1) arthritis group (n=5); (2) arthritis and immobilization group (immobilization group, n=5); (3) arthritis and exercise group (exercise group, n=6); and (4) sham arthritis control group (control group, n=5). Arthritis was induced by injecting a mixture of 3% kaolin and 3% carrageenan into the right knee joint. Plaster casts were used to immobilize the right knee joint of rats in the immobilization group. Low–intensity isotonic muscle contraction of the quadriceps was initiated the day after injection and induced by electric stimulation (frequency, 50 Hz; intensity, 2 – 3 mA) for 20 min/day, 6 days/week, over 4 weeks. Joint swelling was determined by measuring the width of the knee joint. The pressure withdrawal threshold (PWT) was measured in the area of the lateral knee joint using a strain gauge algometer. Mechanical hypersensitivity in the hind paw was evaluated using von Frey filaments. Joint swelling was significantly increased for 2 weeks after injection in the arthritis and exercise groups compared with that in the control group. In the immobilization group, joint swelling remained significantly increased for 4 weeks compared with that in the control group. The PWT was decreased from the first day after injection in the arthritis, immobilization, and exercise groups. In the exercise group, the PWT was significantly increased at 1 week after injection compared with that in the arthritis and immobilization groups, and did not differ from that in the control group at 3 weeks after injection. Mechanical hypersensitivity was observed from the first day after injection and lasted for 4 weeks in the arthritis and immobilization groups. In the immobilization group, the mechanical hypersensitivity was significantly increased at 4 weeks after injection compared with that in the arthritis group. In contrast, the mechanical hypersensitivity in the exercise group did not differ from that in the control group at 2 weeks after injection. We conclude that early initiation of low–intensity isotonic muscle contraction after the induction of joint inflammation can alleviate inflammatory symptoms and prevent the induction of chronic hyperalgesia outside of arthritic lesions.
- 日本疼痛学会の論文
著者
-
片岡 英樹
長崎記念病院リハビリテーション部
-
中野 治郎
長崎大学大学院医歯薬学総合研究科保健学専攻
-
近藤 康隆
日本赤十字社長崎原爆病院リハビリテーション科
-
坂本 淳哉
長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 保健学専攻 理学・作業療法学講座 理学療法学分野
-
沖田 実
長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 医療科学専攻 リハビリテーション科学講座 運動障害リハビリテーション学分野
-
寺中 香
長崎記念病院 リハビリテーション部
-
濵上 陽平
社会福祉法人十善会 十善会病院 リハビリテーション科
-
関野 有紀
長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 保健学専攻 理学・作業療法学講座 理学療法学分野
-
中野 治郎
長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 保健学専攻 理学・作業療法学講座 理学療法学分野
-
片岡 英樹
長崎記念病院 リハビリテーション部
関連論文
- 局所温熱処置によるラット筋肉内結合組織における紡錘形細胞の増加
- カネミ油症検診者の血清アルドラーゼ
- 653 熱刺激によるラットヒラメ筋の廃用性筋萎縮の進行抑制効果 : ミトコンドリアの酵素活性とHeat Shock Protein 60の発現状況から(理学療法基礎系,一般演題(ポスター発表演題),第43回日本理学療法学術大会)
- 478 筋性拘縮に対する持続的伸張運動の効果検証 : 関節可動域と不溶性コラーゲン含有量の変化から(理学療法基礎系,一般演題(ポスター発表演題),第43回日本理学療法学術大会)
- 229 微少重力環境や不動に伴うラットヒラメ筋のヒアルロン酸の変化が関節可動域制限におよぼす影響(理学療法基礎系,一般演題(ポスター発表演題),第43回日本理学療法学術大会)
- 228 不動に伴うラット関節軟骨の形態学的変化,ならびに持続的他動運動の影響(理学療法基礎系,一般演題(ポスター発表演題),第43回日本理学療法学術大会)
- 227 不動に伴うラットヒラメ筋の筋線維萎縮の発生メカニズムと間歇的伸張運動の効果に関する検討(理学療法基礎系,一般演題(ポスター発表演題),第43回日本理学療法学術大会)
- ギプス固定後の再荷重によるラットヒラメ筋の筋線維損傷に対する温熱負荷の影響
- 678 関節固定による廃用性筋萎縮に対する持続的他動運動の影響 : 炎症性サイトカインに着目して(理学療法基礎系32, 第42回日本理学療法学術大会)
- 58 熱刺激によるラット骨格筋の廃用性筋萎縮の進行抑制効果に対する加齢の影響(理学療法基礎系1, 第42回日本理学療法学術大会)
- アジュバント関節炎ラットの後肢に対する高温,低温刺激の影響 : 2003年度(第18回)研究助成論文
- ラットヒラメ筋内コラーゲンに対する不動の影響 : 不溶性コラーゲン含有率とコラーゲンタイプI・IIIアイソフォームの変化
- 57 拘縮の治療に温熱療法と運動療法の併用は有効か? : ラット拘縮モデルにおける関節可動域と筋内コラーゲンの可溶性変化に着目して(理学療法基礎系1, 第42回日本理学療法学術大会)
- 末梢神経損傷による麻痺筋の萎縮予防と筋力増強 (特集 筋再生と理学療法)
- 1026 プレコンディショニングとしての温熱負荷がギプス固定後のラットヒラメ筋の筋線維損傷におよぼす影響(理学療法基礎系,一般演題(ポスター発表演題),第43回日本理学療法学術大会)
- 筋萎縮に対する熱刺激を利用した新たなトレーニング方法の提案 : 動物実験より(理学療法基礎系専門領域研究部会,第41回日本理学療法士協会全国学術研修大会(長崎)(テーマ : 生活機能向上に対する理学療法技術))
- 不動によるラット骨格筋の廃用性筋萎縮に対する持続的伸張運動と間歇的伸張運動の影響
- 574 関節固定後のラットヒラメ筋のコラーゲン線維に対するストレッチの影響(理学療法基礎系1,一般演題ポスター発表,理学療法の可能性,第41回日本理学療法学術大会)
- 物理療法効果判定のための評価再考--動物実験による基礎研究を通して (第13回日本物理療法学会学術大会) -- (シンポジウム)
- 933 熱刺激によるラット骨格筋の廃用性筋萎縮の進行抑制効果とHeat shock protein 70の発現状況の関連性(理学療法基礎系41)
- 熱刺激によるラット骨格筋の廃用性筋萎縮の進行抑制効果について : 速筋と遅筋に対する影響
- カネミ油症検診者の骨密度とPCB, PCQ, PCDF
- 温熱刺激による廃用性筋萎縮の進行抑制効果について--動物実験の結果から (特集 理学療法探求Update)
- 61 不動化したラットヒラメ筋の毛細血管、ミトコンドリアに対する熱刺激の影響(理学療法基礎系1, 第42回日本理学療法学術大会)
- 60 関節不動化によるラット関節軟骨基質の変化に対する持続的他動運動の影響(理学療法基礎系1, 第42回日本理学療法学術大会)
- 59 廃用性筋萎縮に対する低出力レーザの筋線維肥大効果 : そのメカニズムについて生化学的解析から(理学療法基礎系1, 第42回日本理学療法学術大会)
- 温熱負荷方法の違いがラットヒラメ筋の廃用性筋萎縮の進行抑制におよぼす影響 : 温水浴と電気熱プレートの比較
- 筋萎縮に対する熱刺激を利用した新たなトレーニング法の提案 : 動物実験より(理学療法基礎系専門領域研究部会,生活機能向上に対する理学療法技術,第41回日本理学療法士協会全国学術研修大会)
- ラットヒラメ筋の廃用性筋萎縮に対する低温刺激の効果
- 707 熱刺激がラット廃用性筋萎縮の回復過程に与える影響 : 後肢懸垂モデルの再荷重時における組織病理学的変化から(理学療法基礎系18,一般演題ポスター発表,理学療法の可能性,第41回日本理学療法学術大会)
- 704 正常筋,ならびに廃用性筋萎縮の回復過程に対する低出力レーザーの影響(理学療法基礎系18,一般演題ポスター発表,理学療法の可能性,第41回日本理学療法学術大会)
- 576 関節不動化による骨格筋内コラーゲンの可溶性変化の検討(理学療法基礎系1,一般演題ポスター発表,理学療法の可能性,第41回日本理学療法学術大会)
- ギプス固定による廃用性筋萎縮の進行過程について(運動・神経生理)
- 廃用性萎縮筋におけるタンパク分解酵素発現の持続的他動運動による抑制
- 726 不動化されたラット距腿関節軟骨に対する持続的他動運動の影響(理学療法基礎系XI)
- 501 不動化したラット膝関節の関節包コラーゲン線維に対する持続的他動運動の影響 : コラーゲン線維間架橋の免疫組織化学的検討(理学療法基礎系18)
- ラットの前脛骨筋に対する経皮的電気刺激の影響(運動・神経生理)
- 温熱負荷による廃用性筋萎縮の進行抑制効果について(運動・神経生理)
- 拘縮ならびに廃用性筋萎縮が進行過程にあるラットヒラメ筋に対する持続的筋伸張運動の影響(運動・神経生理)
- アジュバント関節炎ラットの後肢に対する高温,低温刺激の影響
- 474 熱刺激によるラット骨格筋の廃用性筋萎縮の進行抑制効果 : 異なる期間での検討(理学療法基礎系12)
- 472 熱刺激の負荷方法の違いがラットヒラメ筋の廃用性筋萎縮の進行抑制効果におよぼす影響 : 温水浴と電気熱プレートによる検討(理学療法基礎系12)
- 温熱負荷によるラット骨格筋の廃用性筋萎縮の進行抑制効果について
- 935 ラット骨格筋の廃用性筋萎縮と脱神経筋萎縮に対する熱刺激の影響(理学療法基礎系41)
- 932 低温刺激によるラット骨格筋の廃用性筋萎縮の進行抑制効果について(理学療法基礎系41)
- 異なる温度条件での熱刺激がラットヒラメ筋の廃用性筋萎縮の進行抑制効果におよぼす影響
- 936 熱刺激と筋伸張運動の併用によるラット骨格筋の廃用性筋萎縮の進行抑制効果(理学療法基礎系41)
- 廃用性筋萎縮の予防としての温熱負荷の影響に関する研究(2002年度研究助成論文)
- 経皮的電気刺激の周波数の違いがラット前脛骨筋の筋線維肥大効果におよぼす影響
- 2.廃用性筋萎縮の予防としての温熱負荷の影響に関する研究(助成研究発)
- 筋萎縮,ならびに拘縮に対する超音波療法の効果に関する実験的研究(平成15年度理学療法奨励基礎研究)
- 709 筋線維タイプの構成が異なる骨格筋の廃用性筋萎縮に対する超音波の影響(理学療法基礎系18,一般演題ポスター発表,理学療法の可能性,第41回日本理学療法学術大会)
- 末梢神経圧挫後の脱神経筋に対する経皮的電気刺激が筋萎縮と神経再生におよぼす影響
- 骨格筋の変化からみた拘縮の病態と物理的刺激の影響
- ラット膝関節炎モデルに対する患部の不動ならびに低強度の筋収縮運動が腫脹や痛覚閾値におよぼす影響