糖尿病患者における末梢動脈疾患の早期発見のための血清総ビリルビン濃度の有用性
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概要
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目的:糖尿病患者の血清総ビリルビン濃度とPADの関連について検討する.方法:糖尿病患者1013名の血清総ビリルビン濃度を測定し,PADの指標であるABIの値により0.90以下,0.91-1.00,1.01以上の3群にわけ横断研究を行った.またABIが1.00以下に寄与する因子を解析した.結果:ABI値が0.90以下,0.91-1.00,1.01以上を示す患者の割合は58名,79名,876名であり,0.90以下の群では年齢,糖尿病罹病期間,動脈硬化性疾患合併率,脂質異常症合併率が有意に高く,血清総ビリルビン濃度,eGFRは有意に低下していた.ABI値が1.00以下に寄与する因子は年齢,動脈硬化性疾患の合併率,糖尿病網膜症の合併,脂質異常症合併率とともに,血清総ビリルビン濃度(0.50 mg/dl以下)が有意な背景因子であった.結論:PADの早期発見のために血清総ビリルビン濃度が有用である.
- 一般社団法人 日本糖尿病学会の論文
著者
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壁谷 悠介
東京都済生会中央病院内科
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富田 益臣
東京都済生会中央病院内科
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及川 洋一
東京都済生会中央病院 内科
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島田 朗
東京都済生会中央病院 内科
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香月 健志
東京都済生会中央病院糖尿病内分泌内科
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富田 益臣
東京都済生会中央病院糖尿病内分泌内科
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沖杉 真理
東京都済生会中央病院糖尿病内分泌内科
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川﨑 麻紀
東京都済生会中央病院糖尿病内分泌内科
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