未破裂脳動脈瘤クリッピング術中に三叉迷走神経反射による心停止をきたした2例
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
三叉神経の機械的刺激により徐脈, 血圧低下や心停止を起こすことがあり, 三叉迷走神経反射と呼ばれる. 今回われわれはテント上未破裂脳動脈瘤クリッピング術中に, 硬膜の刺激による三叉迷走神経反射が原因と思われる心停止をきたした症例を2例経験したので報告する. 代表症例は63歳の女性で, 未破裂動脈瘤に対して開頭クリッピング術を施行した. クリップを脳動脈瘤に近づけた際に, クリップが硬膜に接触したところ4∼5秒間の心停止を2回きたした. 術中操作の中断ですぐに回復し, 手術後の経過は問題なかった. 硬膜刺激による三叉迷走神経反射はすべての開頭手術で起こる可能性があり, テント上未破裂脳動脈瘤クリッピング術でもその頻度は低くない. 生じた場合はすみやかに術中操作を中断することが最も確実な対処法である.
- The Japanese Congress of Neurological Surgeonsの論文
著者
-
足立 秀光
神戸市立医療センター中央市民病院 脳神経外科
-
今村 博敏
神戸市立医療センター中央市民病院 脳神経外科
-
坂井 信幸
神戸市立医療センター中央市民病院
-
坂井 千秋
先端医療センター病院 脳血管内治療科
-
池田 宏之
神戸市立医療センター中央市民病院脳神経外科
-
石川 達也
神戸市立医療センター中央市民病院脳神経外科
-
谷 正一
神戸市立医療センター中央市民病院脳神経外科
-
稲田 拓
神戸市立医療センター中央市民病院脳神経外科
-
小倉 健紀
神戸市立医療センター中央市民病院脳神経外科
-
柴田 帝式
神戸市立医療センター中央市民病院脳神経外科
-
阿河 祐二
神戸市立医療センター中央市民病院脳神経外科
-
清水 寛平
神戸市立医療センター中央市民病院脳神経外科
-
峰晴 陽平
先端医療センター病院脳血管内治療科
-
浅井 克則
先端医療センター病院脳血管内治療科
-
坂井 千秋
先端医療センター病院脳血管内治療科
関連論文
- e-Learningを学会専門医取得・更新にどう使うか?(脳神経外科医の生涯教育)
- 2.頸動脈病変(動脈閉塞症に対する手術vs血管内治療:治療成績からみた選択基準)
- 1.急性脳血管閉塞に対する再開通療法update(PS2-3 閉塞性脳血管障害の病態と最善の治療,プレナリーセッション,手術再考,第30回日本脳神経外科コングレス総会)
- 視床下核刺激療法(STN-DBS)に合併した精神症状が出現, 悪化し, コントロールが困難であった1例
- P2-20 当院におけるてんかん手術症例の検討(外科治療7,一般演題(ポスター),てんかん制圧:新たなステージに向けて,第41回日本てんかん学会)
- 頸動脈ステント留置術の現状と今後
- Macroadenoma の術前検査にホルモン刺激試験は必要か : 刺激試験により下垂体卒中を誘発した2症例の検討
- 肉腫様悪性転化をきたしたMEN1、末端肥大症に合併した下垂体腺腫の1例
- 荒木千里記念脳外科症例検討会記録(222)早期より髄腔内播種を伴ったCerebral neuroblastomaの一例
- 脳血管障害の臨床最前線 : 血管内治療の進歩
- 脳動脈病変に対するインターベンション
- 頸動脈ステント留置術におけるdistal balloon protection systemのpitfall : 血管モデルでの観察から
- 虚血性脳血管障害に対する血管内治療 : コンセンサスとコントロバーシー
- P-3.頸動脈ステント留置術の現状と今後
- Stent留置術後のPlaque Protrusionに対するStent-in-stenting
- 荒木千里記念脳外科症例検討研究会記録(265)多発性脳病変で見つかったノカルジア脳腫瘍の1例
- 脳動静脈奇形 Liniac radiosurgery(X-Knife)を用いた脳動静脈奇形に対する定位放射線治療 (インターベンション時代の脳卒中学(改訂第2版)(下)超急性期から再発予防まで) -- (脳血管奇形)
- 母児ともに救命できた脳動静脈奇形破綻の1例
- CEA・CASの周術期における経頭蓋超音波検査
- 脳血管ステント留置術 (特集 脳血管障害の外科--最近の進歩) -- (脳梗塞の予防)
- 荒木千里記念脳外科症例検討研究会記録(231)脳血管内手術で治療した内頸動脈前壁動脈瘤の一例
- e-Learning を学会専門医取得・更新にどう使うか?
- 頚動脈ステント留置術と抗血小板療法
- 頸動脈ステント留置術における超音波と他の検査法の役割
- わが国における硬膜動静脈瘻の治療の現状(脳脊髄動静脈奇形の診断・治療の進歩)
- 脳動脈ステント (特集 脳血管障害治療の進歩)
- 頸動脈のステント療法 (第1土曜特集 脳卒中のパラダイムシフト--Brain Attack時代の最新動向) -- (新しい治療のモダリティー)
- くも膜下出血--見逃してはいけない突然起こった頭痛 (特集 よくある頭痛--緊急の頭痛!--注意すべき患者の訴え・症状と,具体的な対応のしかた) -- (緊急性の高い症候性頭痛)
- 頸部内頸動脈狭窄の血管内治療 (特集 ガイドライン時代の脳卒中の治療--ガイドライン利用の意義とその適応の限界)
- 脳・頸動脈インターベンション (特集 バスキュラーインターベンション--冠動脈から全身血管へ) -- (グローバルバスキュラーインターベンション)
- 症候性頭蓋内動脈狭窄病変の血管内治療の現状 (特集2・症候性頭蓋内動脈狭窄病変の新しい治療法--新たなエビデンスにもとづくシロスタゾールの有用性)
- 頸動脈狭窄の治療--頸動脈ステント留置術(carotid artery stenting:CAS) (インターベンション時代の脳卒中学(改訂第2版)(下)超急性期から再発予防まで) -- (頸動脈狭窄)
- 頸動脈狭窄症に対する血行再建術 (特集 ブレインアタック時代の「脳卒中」診療) -- (急性期病院における診断・治療--脳梗塞を中心に)
- 頸動脈狭窄症に対する血管内治療 (特集 脳神経血管内治療の現況)
- 臨床 頸動脈病変の血管内治療
- 脳動脈瘤内塞栓術の長期成績
- 2. E-learningを学会専門医取得・更新にどう使うか(PS1-4 脳神経外科医の生涯教育,プレナリーセッション,テクノロジーの進歩と脳神経外科の未来,第29回日本脳神経外科コングレス総会)
- 1.脳血管内治療 : 脳動脈瘤(LS-13 脳血管内治療の現状と今後,ランチョンセミナー,第26回 日本脳神経外科コングレス総会)
- 血管病に関する最新の話題 頸動脈ステントの保険認可
- 頸動脈インターベンションは頸動脈狭窄症治療の主役になるか?--現状と今後の課題 (特集 アテローム血栓症の病態と対策を探る)
- 6.脳血管内治療に用いる器材と材料
- ちょこっと教えて最先端医療(10)治療 血管内手術・ステント
- 頚部動脈瘤に対して血管内治療を行った4例
- まず,知識を確認! (特集 血管内治療と看護)
- 脳血管内外科 (特集 「これだけは知っておきたい」低侵襲手術)
- 2. 脳動脈再開通療法の現状と今後(PS1-1 閉塞性脳血管障害における新たな展開,プレナリーセッション,脳神経外科医のProfessional SpiritとResearch Mind,第31回日本脳神経外科コングレス総会)
- XperCT ガイドによる脳神経外科手術
- 6. 動脈瘤コイリングのアドバンスト手技(ES2 ステップアップの手術手技,プレコングレス イブニング教育セミナー,脳神経外科学の課題,第32回日本脳神経外科コングレス総会)
- 脳動脈瘤コイル塞栓術における First Coil の径を指標とした自動計測値の有用性
- 血管内治療による脳動脈再開通療法の現状と今後(閉塞性脳血管障害における新たな展開)
- 血管内治療の現状と展望 (特集 脳卒中診療のトピックス) -- (急性期脳梗塞治療のブレイクスルー)
- 急性期虚血性脳卒中の脳血管内治療:複数デバイス時代に備えた適切な治療法の選択とは
- 脳動脈瘤内塞栓術の長期成績
- MERCIリトリーバーを用いた急性脳動脈再開通療法―我が国における初期周術期成績― : -我が国における初期周術期成績-
- 血管内治療による脳動脈再開通療法の現状と今後
- ステントアシスト法を用いた未破裂脳動脈瘤コイル塞栓術後における 3D-fusion 画像の有用性
- 動脈瘤コイリングのアドバンスト手技
- 脳動脈瘤コイル塞栓術においてアシスト法を選択する有効な因子についての検討
- 未破裂脳動脈瘤クリッピング術中に三叉迷走神経反射による心停止をきたした2例
- 脳動静脈奇形に対する血管内治療の役割