円形脱毛症のsquaric acid dibutylester外用療法
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概要
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squaric acid dibutylester(SADBE)を65例の円形脱毛症患者に外用療法として用いた.2%SADBEアセトン溶液にて感作後,脱毛病巣の約1/2の範囲に潮紅が生じる程度の濃度のSADBEアセトン溶液(0.000001%~0.5%)を1~2週ごとに塗布し,対象の部位と比較した.激しい接触皮膚炎のため5例で治療を中止し,残る60例中56例(93.3%)に発毛効果を認めた.発毛は平均3ヵ月後にまずSADBE塗布部にみられ,ついで非治療部へおよんだ.新生毛が脱落することもあり,治療を継続した症例の最終的な有効率は73.3%であった.治療効果は通常型,全頭脱毛症,汎発性脱毛症の順であるが,有効例に低濃度SADBE使用例が多かった.本治療法は再発を防ぐことはできないが発毛効果は高く,特に小児例や病巣が広範囲におよぶ症例に有用な治療と思われる.
- 公益社団法人 日本皮膚科学会の論文
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