血中CEA値上昇ならびに病変部表皮内にCEAが認められた乾癬性紅皮症の2例
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概要
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血中CEA値の上昇を認め,皮疹の改善とともに血中CEA値が低下した49歳,38歳男子の乾癬性紅皮症2例を報告した.血中CEAと皮疹との関連性をみるため,皮疹部におけるCEAの局在についてPAP法により検索し,parakeratosis直下の表皮上層棘細胞間ないし細胞膜,および浸潤好中球に一致してCEA陽性所見が認められたが,後者のそれはnonspecific crossreacting antigen(NCA)吸収後に消失した.以上より乾癬病変部表皮内におけるCEAの存在が判明したが,この反応が乾癬に特異的か否かという点で論議の余地が残された.しかし,表皮keratinocyte系細胞ではみられないCEAが乾癬表皮内で認められたことは注目すべきであり,この点につき今後更に詳細な研究が必要であると思われた.
- 公益社団法人 日本皮膚科学会の論文
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