膵頭部癌に併存した肝内胆管腺腫の1例
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
症例は71歳,男性.T2N0M0,Stage IIの膵頭部癌の診断にて手術を施行したところ,開腹時に肝S4/5に1cm大の円形白色結節を認めた.肝部分切除を施行し術中迅速病理診断に提出し,高~中分化型腺癌であった.診療ガイドライン上は遠隔転移のある膵癌では手術の適応はなく,化学療法やbest supportive careの適応であるが,術前画像診断では肝転移を疑われておらず,原発巣の進行度からは肝転移の可能性が高いとは言えず,原発巣は癌を遺残せず切除できる可能性が高いと判断し,膵頭十二指腸切除術D2郭清を施行した.切除した肝腫瘍は,永久標本では肝内胆管腺腫と診断された.肝内胆管腺腫はまれな良性肝腫瘍で,外科手術時に偶然発見されることが多く,肉眼上は転移性肝癌に似ているため,悪性腫瘍に併存した場合には注意が必要である.今回,膵頭部癌に併存した肝内胆管腺腫の1例を経験したので報告する.
- 日本臨床外科学会の論文
著者
-
下山 則彦
市立函館病院
-
倉内 宣明
市立函館病院消化器病センター外科
-
倉内 宣明
市立函館病院外科
-
工藤 和洋
市立函館病院 中央検査部 臨床病理科
-
木村 純
市立函館病院消化器外科
-
砂原 正男
市立函館病院消化器外科
関連論文
- O5-5.胃悪性腫瘍出血に対する治療 : TAE止血後胃切除術を施行した3例(一般演題,第39回胃外科・術後障害研究会)
- 2000年に全国37施設から分離された臨床分離株8,474株の各種抗菌薬に対する感受性サーベイランス
- 2002年に全国52施設から分離された臨床分離株11,475株の各種抗菌薬に対する感受性サーベイランス
- 24. 総胆管結石に対する治療法の検討(第26回日本胆道外科研究会)
- 糖代謝から見たPDとPpPDの比較
- 182 SS 胆嚢癌における術式の検討(第49回日本消化器外科学会総会)
- 14. 胆嚢癌における肝切除術式の検討(第25回日本胆道外科研究会)
- 肝門部胆管癌の手術成績と長期生存例の検討
- K2-21 広範囲胆胆管癌の検討(第47回日本消化器外科学会総会)
- N1-16 Dacron およびEPTEE graft の胆道再建への応用に関する実験的検討(第47回日本消化器外科学会総会)