乳牛における子宮捻転整復後の産科処置が生存率及び繁殖成績に及ぼす影響
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
乳牛における子宮捻転整復後の産科処置の違いが生存率及び繁殖成績に及ぼす影響を調査した.子宮捻転整復に成功したホルスタイン種乳牛112頭を,胎子娩出状況別に無処置・軽度牽引群(48頭),中・重度牽引群(48頭),帝王切開群(16頭)の3群に分けて成績を比較した.その結果,無処置・軽度牽引群は母牛生存率(1カ月後)97.9%,最終受胎率(1年後)89.4%であった.中・重度牽引群は無処置・軽度牽引群と比較して最終受胎率が67.4%と有意に低下していた.また,帝王切開群は母牛生存率75.0%と有意な低下がみられたが繁殖成績に差は認められなかった.以上より,子宮捻転整復後に重度牽引や産道損傷を伴うことは,その後の繁殖成績を低下させるため,捻転整復後の産科処置の選択が重要である.
- Japan Veterinary Medical Associationの論文
Japan Veterinary Medical Association | 論文
- 不治の病の治療に対する飼い主の期待についての質的研究
- 肝葉切除に加えて後天性門脈体循環シャントの段階的閉鎖により長期生存した先天性肝内動静脈瘻の犬の1例
- 豚疣贅性心内膜炎型敗血症由来β溶血性レンサ球菌の薬剤感受性と耐性遺伝子保有状況
- 心室中隔欠損症が合併した重度肺動脈弁狭窄症に対しバルーン弁口拡大術を実施した犬の1例
- 腎盂破裂に対し膀胱壁を使用し修復した猫の1例