肝葉切除に加えて後天性門脈体循環シャントの段階的閉鎖により長期生存した先天性肝内動静脈瘻の犬の1例
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概要
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4カ月齢の雌のチワワが発育不良,腹水貯留並びに高アンモニア血症の精査のために来院した.カラードップラー検査を併用した超音波検査及び非選択的血管造影により,後天性門脈体循環シャントを併発した肝内動静脈瘻と診断された.7日間の内科的治療後,肝内動静脈瘻を含む複数の肝葉におよぶ肝葉切除術と,一部の後天性門脈体循環シャントの閉鎖術を行った.術後は一般状態は改善したが,高アンモニア血症や軽度の肝不全所見が持続し,高アンモニア血症に対する内科的治療を継続した.術後48日に残存した後天性門脈体循環シャントの閉鎖を目的に2回目の手術を行ったところ,その後は高アンモニア血症と肝不全所見はほぼ改善した.初回手術から18カ月後に実施した手術時における肝生検では,初回手術時に認められた肝内動静脈瘻に特徴的な形態学的変化は消失していた.
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