北海道における牛マイコプラズマ性乳房炎の発生とその疫学的考察
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概要
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北海道において,過去22年間に経験した牛マイコプラズマ性乳房炎の発生事例68牛群について,疫学的解析を試みた.事例の75%は直近5年間の発生であり,北海道での本病の増加が確認された.発生契機として,牛の外部導入,初妊牛の分娩もしくは肺炎の発生が示唆された.主な原因菌種はM. bovisであったが大規模牛群ではM. californicumの発生も同程度存在し,他の菌種は普段から不顕性に牛群へ侵入している可能性が示唆された.感染牛の割合は経産牛頭数の3.8~15.1%(四分位範囲),発生期間は0.3~4.7カ月,淘汰牛の割合は経産牛頭数の2.1~9.5%であった.大規模牛群では発生期間の延長と経過中における多数の新規感染が認められたが,感染牛の隔離により発生の長期化を防ぎ得ることが明らかとなった.
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Japan Veterinary Medical Association | 論文
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