犬の下垂体腫瘍に対する寡分割3次元原体照射による放射線治療の短期的効果
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概要
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15頭の下垂体腫瘍の犬に対して,週一回,寡分割3次元原体照射(3D-CRT)による放射線治療を行った.総線量中央値は48Gy(35~52Gy),一回線量中央値は7Gy(5~8Gy)であった.観察期間中央値は298日で,12頭が生存中である.1頭は放射線治療中に死亡した.また放射線治療終了後372日及び479日に2頭が死亡した.下垂体性副腎皮質機能亢進症である13頭中6頭で症状の軽減が観察されたが,トリロスタンの投与を中止できた犬はいなかった.神経症状を発現していた13頭中10頭で症状の完全消失,3頭で部分消失を認めた.3D-CRTによる急性及び晩期放射線障害は全頭で認められなかった.予備的データではあるが,3D-CRTは犬の下垂体腫瘍に対して選択可能であると思われた.
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Japan Veterinary Medical Association | 論文
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