早産児におけるDubowitz神経学的評価の比較
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概要
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【目的】早産児を対象に新生児期に神経学的評価を行い,発達に影響を及ぼす因子として報告されている出生体重,在胎週数,出生時体格基準曲線による分類に着目して早産児を分類し,神経学的評価結果について比較検討した.<BR>【方法】新生児集中治療室に入院し治療・管理を受け,明らかな脳障害や奇形・染色体異常のない早産児57名を対象に,出産予定日頃にDubowitz神経学的評価を行った。出生体重,在胎週数により対象児を4群に分類し検討した。またLight-for-dates児(出生時体重が出生時体格基準曲線の10パーセンタイル値未満の児)と,Appropriate-for-dates児(出生時体重が基準の範囲であった児)の2群間の比較検討を行った。<BR>【結果】人工換気・酸素投与日数やApgar scoreなどの周産期要因においてはそれぞれの群間で有意差を認め,未熟性の強い児ほど呼吸管理期間が長期にわたり,Apgar scoreが低値であった.Dubowitz神経学的評価のスコアでは出生体重、在胎週数、体格基準曲線での分類による群間に有意差を認めなかった.<BR>【考察】出産予定日頃の神経学的状態は,早産・低体重やLight-for-datesの影響を受けないものと考えられた。また,早産児間でDubowitz神経学的評価のスコアに違いはないものの,フォローアップの対象となるカットオフ値である30より明らかに低いスコアであり,早産児でのあらたな基準を設定する必要が示唆された。<BR><BR>
- 公益社団法人 日本理学療法士協会の論文
公益社団法人 日本理学療法士協会 | 論文
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