当院におけるリハLANシステム「ゆふりは」(Version 1)の開発と運用
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概要
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【はじめに】<BR> リハ業務に関するコンピューターソフトはいくつか市販されているが、どれも診療点数管理に重きがおかれており評価や実施記録の管理が二次的となっている。そこで、我々はPT・OT・ST等の連携、更にはNs・MSWを含めたチームアプローチの展開が可能となるよう病院独自のコンピューターソフトの開発をメーカーと協力し実施し、H14年7月より運用を開始した。今回、システムの紹介と導入1年の成果ならびに今後の展開を述べる。<BR>【導入目的】<BR> 1.PT・OT・STの記録等の事務作業時間短縮と記録の質向上。2.医事請求データの取りまとめの効率化。3.リハスケジュールの作成と調整の効率化。4.リハ総合実施計画書の作成及び発行の効率化。5.リハチーム内で情報をリアルタイムで共有し、質の高いリハサービスの提供と記録の一元化に貢献する。6.治療・訓練の成績をデータベース化し、研究や各種資料の作成に活かす。<BR>【本システムの特徴】<BR> 1.コンピューターは、PC52台、プリンタ9台をリハ職員室、リハ受付、病棟MSW室に配置し、LAN回線で結びいつでもどこでも入力・閲覧できる。2.毎月のリハ総合実施計画書の作成にあたり、毎月のPT・OT・ST・Ns・MSW・Drの定期評価がリハ実施計画書へ自動的に反映されることで計画書作成の手間が省ける。3.リハ総合実施計画書におけるチームの目標に合わせ担当PT・OT・ST・Ns・MSWの目標を同一画面で一元的に入力閲覧できる。4.PT・OT間等で評価項目が同じものは双方向に入力することができ、評価者による判定の差をなくし信頼性を高めるように工夫している。5.毎日のPT・OT・STの記録業務は、訓練予定と実施の管理から特記事項の記載、実施単位の確認調整へと連続的に作業が行え、この間平均15分で終了できる。6.各種のデータ管理と活用。<BR>【導入の成果】<BR> 導入により当初の目的はほぼ達成され、次のような成果が現れている。<BR>1.職域の垣根を越えコミュニケーションが図れチームワークの醸成に寄与している。2.データを自由に閲覧できるため、常に見られているという緊張から記録作業を毎日しっかりと行うようになった。3.担当者間による検査・測定の差が確認できるため、互いに評価の信頼性向上に向け努力するようになった。4.病々連携手段として各病院の患者状況を整理し紹介元病院へ情報を提供することで紹介元病院から高い評価を得ている。<BR>【今後の展開】<BR> 1.リハ処方箋のオーダリング化。2.医事処理のオンライン化を予定している。このシステムを良くも悪くもするのは我々であり、常に育てていく姿勢を持って機能の充実を図り、Versionアップへ繋げたい。
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公益社団法人 日本理学療法士協会 | 論文
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