腹腔鏡下に整復しえたS状結腸間膜窩ヘルニアの2例
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概要
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症例1:35歳の女性で,左下腹部痛を主訴に当院を受診した.腹部CT像上,S状結腸間膜関連の内ヘルニアによる絞扼性イレウスと診断し発症から14時間で緊急手術を施行した.術中所見で内容を回腸としたS状結腸間膜窩ヘルニアと診断した.嵌頓腸管は腹腔鏡下に整復可能であり,壊死所見を認めなかったためヘルニア門の縫合閉鎖のみを施行した. 症例2:37歳の男性で,左下腹部痛を主訴に当院を受診した.腹部CT像上,S状結腸間膜窩ヘルニアと診断し,発症から10時間で緊急手術を施行した.S状結腸間膜窩に回腸が約75cm嵌頓していたが,壊死所見を認めなかったため同様にヘルニア門の縫合閉鎖のみを施行した. 本症は発症から長時間を経過していても腸管壊死を認めないことも多く,ヘルニア門の閉鎖のみで治癒する症例が多いことを考慮すると鏡視下手術の良い適応疾患であると考えられた.
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