食道神経鞘腫の1例
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概要
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今回われわれは,稀な食道神経鞘腫の1手術例を経験したので報告する.症例は75歳,男性.食物のつかえ感を主訴に近医受診.胸部CT検査で下部食道の右側前壁に約4cm大の腫瘍を認め,上部消化管内視鏡検査で食道粘膜下腫瘍と診断され当科に紹介された.上部消化管内視鏡検査で下部食道の右側壁から前壁にわたる約4cm大の表面平滑で正常粘膜に覆われた隆起性病変を認めた.胸腹部CT検査では下部食道の右側前壁に39×42×50mm大の腫瘍を認めた.食道粘膜下腫瘍とくに食道平滑筋腫を疑い,下部食道・噴門側胃切除術を施行した.切除標本は境界明瞭な弾性硬の腫瘍で,割面は黄白色の充実性腫瘍であった.病理組織学的検査では腫瘍は固有筋層から発生し,紡錘形細胞が束をなして不規則錯走性に配列し増殖していた.核異型,核分裂像は乏しく,悪性所見はなかった.免疫組織化学染色ではS-100蛋白陽性,c-kit,h-caldesmon,平滑筋アクチンはすべて陰性で神経鞘腫と診断した.
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日本外科系連合学会 | 論文
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