80歳以上の高齢者に対する膵頭十二指腸切除術の検討―早期退院に向けて―
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概要
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目的:80歳以上の高齢者に対する膵頭十二指腸切除術(Pancreaticoduodenectomy;PD)の早期退院に関与する因子を検討した.対象・方法:PDを施行した80歳以上の高齢者12例に対し,年齢,性,診断,手術術式,膵消化管再建法,膵管ドレナージ法,手術時間,出血量,PD経験豊富な外科医の関与,膵液瘻,胃内容排泄遅延,創感染,術前併存症,術後合併症,経腸(経管)栄養などの有無,術後在院日数,在院死亡を解析した.また術後30日以内に退院した短期入院群と術後31日以降に退院した長期入院群に分け,比較検討した.結果:早期退院群では,PD経験豊富な外科医の関与が有意に多く,Grade B/Cの膵液瘻が有意に少なかった.膵管ドレナージ法では,膵管ロストステントの有用性が示唆された.結語:80歳以上の高齢者に対するPDにおいては,PD経験豊富な外科医の関与が術後膵液瘻を減少させ,結果的に早期退院に寄与する可能性があると思われた.
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