80歳以上高齢者肝細胞癌に対する肝切除術の妥当性と安全性の検討
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概要
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2006年1月から2011年12月に当院で施行した肝細胞癌切除91例中,80歳以上の10例(高齢者群)について,背景因子,手術因子,術後合併症などを80歳未満の81例(非高齢者群)と比較検討した.高齢者群の平均年齢は81.2歳,術前肝機能は全例肝障害度Aと良好であった.ウイルス感染は非B非C型肝炎4例,B型肝炎2例,C型肝炎4例であり,他臓器悪性腫瘍の合併(同時性,異時性を含む)を4例に認めた.術式は部分切除4例,亜区域切除4例,2区域切除2例で,全例根治切除が施行された.術後合併症はせん妄2例,胸水・腹水3例,胆汁漏1例であったが,全て保存的に治療可能で,術死,在院死はなく,平均在院日数は23.8日であった.術後経過は非高齢者群との有意差は認めなかった.80歳以上の高齢者肝細胞癌に対して,適切な術前評価と手術により安全に根治切除が可能と考えられる.
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