子宮癌検診を契機に初期病変で発見され晩期再発した腹膜癌の1例
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概要
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患者は55歳,女性,癌検診を希望し前医受診.子宮内膜細胞診Class Vにて当科に紹介された.内診および経腟超音波検査で異常所見なく,再施行した子宮内膜細胞診はClass Vであった.骨盤MRI,腹部CTに異常所見なく原発巣は不明で,腫瘍マーカーはCA125;12.3U/ml,CA19-9;0.1U/ml,CEA;1.4ng/mlと基準値内であった.子宮内膜全面掻爬検体に病理学的悪性所見は認めなかった.腹腔鏡下両側付属器摘出術を施行し,骨盤腔,腹腔内に肉眼的異常を認めなかった.両側付属器に病理学的悪性所見はなかったが,腹水細胞診はClass Vで腺癌と診断した.2カ月半後に開腹し,単純子宮全摘術+大網生検+腹膜生検を行い腹膜に腺癌組織を確認し,子宮内膜細胞診を契機に腹膜癌をきわめて早期に発見したことが判明した.術後化学療法を追加したが79カ月後に腹水貯留と腹腔内播種で晩期再発し,現在化学療法を断続的に施行しつつ担癌生存中である.
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日本外科系連合学会 | 論文
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