特発性胆囊穿孔の1例
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概要
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症例は62歳の男性で,心窩部痛を主訴に当院受診.腹部CT検査では胆囊周囲に腹水の貯留を認めた.入院後,保存的加療を行うも症状の改善は認めず,筋性防御が出現したため,汎発性腹膜炎の診断にて緊急開腹術を施行した.術中所見では胆汁性腹水と胆囊体部から底部にかけての壊死を認め,同部からの胆汁の漏出を認めたため,胆囊摘出術および腹腔ドレナージ術を施行した.胆囊内には結石はなく,胆汁性腹水の培養は陰性であった.病理組織学的検査では炎症所見に乏しく,穿孔部位は全層性の壊死像を呈していた.以上より特発性胆囊穿孔と診断した.術後経過は良好で,術後第13病日に退院した.特発性胆囊穿孔は稀な疾患であり,若干の文献的考察を加え報告する.
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