腹腔鏡補助下胃全摘Roux-Y再建術後の内ヘルニアに対し腹腔鏡下修復術を施行した1例
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概要
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腹腔鏡補助下胃全摘Roux-Y再建術後にjejuno-jejunostomy mesenteric defectに内ヘルニアをきたし,腹腔鏡下に修復した1例を経験したので報告する.症例は72歳の男性,2010年2月胃癌(cT1bN0M0,Stage 1A)に対して腹腔鏡補助下胃全摘・D1+リンパ節郭清・Roux-Y再建を施行.2011年10月に間欠的腹痛が出現し当院受診.腹部に軽度圧痛を認めるのみで,血液検査上の異常所見はなかったが腹部造影CT検査でwhirl signを認め,術後内ヘルニアの診断で入院となった. 保存的治療で症状の改善がみられず,手術の方針となった.腸管の拡張と虚血を認めなかったことから,腹腔鏡下に内ヘルニア修復術を施行した.手術所見ではjejuno-jejunostomy mesenteric defectに小腸が陥入していた.腸管に虚血所見はなく,腹腔鏡下に腸管を整復し,jejuno-jejunostomy mesenteric defectを縫合閉鎖した.術後経過は良好で,術後7日目に退院となった.腸管の拡張と虚血がなければ,腹腔鏡下修復術は安全に施行可能な術式であると考えられる.
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