進行結腸癌に対する横小切開法による根治術の経験
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概要
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進行結腸癌に対する横小切開法による根治術を経験したのでその手術手技と安全性・低侵襲性を中心に報告する.2009年4月~2010年12月の間に6〜7 cmの横小切開により,根治術を試みた進行結腸癌連続24例(男性12例,body mass index(BMI):中央値21.6(14.2~23.9)kg/m2,Stage Ⅰ:5例,Ⅱ:10例,Ⅲ:19例)を対象(横小切群).腹直筋を切離せずに外側に圧排し,wound retractorで創を確保し,内側アプローチでリンパ節郭清を行った.1例に2cmの創の延長を必要とした(完遂率96%),1例では癒着性イレウスに対し,再手術を行った.従来行っていた縦小切開法による根治術症例から性別,BMI(±2kg/m2),部位,最大径(±20mm),Stage,リンパ節郭清度をマッチングさせた24例(縦小切開群)との比較では,手術時間,出血量には両群間で差がなかったが,横小切開群の方が術後の鎮痛剤の投与回数が有意に少なく(p<0.01),排ガスが早く(p=0.09),在院日数も短い傾向(p=0.054)であった.進行結腸癌に対する横小切開法による根治術は,安全かつ低侵襲であることが示唆された.
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