胃多発癌と大腸多発癌の同時性重複癌の1例
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概要
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胃,大腸にそれぞれ多発癌を認めた膀胱癌を含む3重複癌の1例を経験した.症例は75歳の男性で立ちくらみを主訴に当院を受診した.貧血を認め,上部消化管内視鏡にて胃体下部後壁に3型の胃癌,幽門部に顆粒状隆起を認めた.術前検査でCT,大腸内視鏡検査を行うと直腸にLST,S/D junctionに2型の腫瘍および内腔の狭窄を認め,深部への挿入は不可能であった.以上より,多発癌を伴う胃癌,大腸癌と診断し,幽門側胃切除,結腸部分切除を施行した.術前adenomaと診断された幽門部の顆粒状隆起は病理で高分化腺癌と診断され,胃,大腸ともに多発癌であった.ともに多発癌を担った胃癌,大腸癌の一期的な切除例は報告がなく稀な症例であると考えられた.
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